丸万とタイル
MARUMAN & Tile
丸万のタイルが使われている皆様の生活や仕事の場がお気に入りの空間になり、
気持ちの良い日々を過ごしていただけることを願い、私たちはタイルを作っています。
タイルについて
About Ceramic Tile
セラミックタイルは焼き物。
半永久的に質的に変化せず、日光や風雨などの外的環境に影響を受けず、抜群の耐久性を持ち、中でも磁器質タイルは吸水率が低いために、凍害を起こさず、使う土地を選ばないという優れた建材。
破れやすい紙、錆びていく鉄、朽ちていく木、劣化しやすいプラスチックなどと比べると、建物を保護するという観点では、圧倒的に優位です。
わけても、うわぐすりをかける施釉モザイクタイルでは、陶土と釉薬の組み合わせにより、タイル一つ一つの表情を変えることができます。
一つずつの表情が違うというのは、色そのもの、色の濃さや広がり方、ツヤの程度、質感、手触りなどすべてが違います。
使用する場所や条件次第では、形、大きさ、厚さの異なるタイルを組み合わせることもできます。
自分の好きな色と形を選んで配置すれば、世界でただ一つのデザインができあがります。
建材としての強みに加え、非常に高い自由度と意匠性を持つタイルは、使われている面や空間に奥行を与え、
インテリアの質と価値を高めます。
丸万のタイルが生まれる笠原について
About Our Town Kasahara
丸万がある多治見市笠原町は、人口1万ほどの小さな町です。
多治見市周辺はおよそ1,000万年前の太古の時代から堆積した良質な陶土に恵まれています。
奈良時代の頃から焼き物が作られ、およそ1,400年の歴史を誇る美濃焼の産地です。
この脈々と受け継がれてきた伝統技術に支えられ、大正3年に多治見でタイル産業が始まりました。
中でも釉薬(ゆうやく/うわぐすり)を施した磁器質モザイクタイルを、笠原町出身の故・山内逸三( やまうちいつぞう )氏が開発したことがきっかけとなり、モザイクタイルの生産が戦後の笠原の一大産業となりました。
笠原には最盛期には100を超えるタイル工場があり、現在でも国内のモザイクタイルのほとんどを生産しています。
2016年には町の真ん中に多治見市モザイクタイルミュージアムができ、全国のタイルファンを集めています。
CERAMIC VALLEY
やきものの産業と文化が息づくこの地は、陶土に恵まれ、
器やタイル、ニューセラミックスまで幅広い美濃焼が生産され、
作家や窯元、商社や関連企業が集う世界有数のやきもの産業の一大生産地です。
そして今、受け継がれてきた文化と技術に、時代をとらえた柔軟性と多様性を融合させ、
さらなる挑戦と創造の系譜を宿すこの地を「セラミックバレー」と名付けました。
丸万の歴史
Our History
初代の加藤萬蔵は六人兄弟の末っ子に生まれました。
長じて、北海道でタイル問屋をしていた兄たちを手伝っていましたが
両親から故郷に戻るように乞われた後、笠原で陶磁器販売を始めました。
こうして丸万が1931年(昭和6年)に創業されました。
萬蔵は戦前と戦後の混乱した時代を息子たちと過ごしました。そして、丸万商会として設立されたのが1957年(昭和32年)。1963年には萬蔵は代表の座を退き、長男が二代目となりました。
おりからの高度経済成長に伴う建築需要の高まりを受け、国内市場は活況を呈していました。
昭和40年代中頃までは日本のタイルは北米の需要にも応え、輸出の全盛時期を迎えました。
多治見のどのメーカーも独自の意匠を競うように次々と発表し、丸万のオリジナルデザインタイルも
アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパへと大量に輸出されました。
2010年(平成22年)に二代目が文字通り急逝し、事業から20数年も離れていた長女がその日から復帰して経営を担うことになりました。
日本のタイル出荷量は下降の一途をたどっており、輸出においても他国の安価なタイルとの競争に打ち勝つのは厳しい状況でした。
が、先達の苦労を見聞きしている三代目はへこたれません。周りにはタイルを生業として志を高く持つ同業者ばかり。
お客様と仕入先に助けられ、同志から叱咤激励され、女性ならではの目線を活かし、インテリアにふさわしい「丸万」ならではのセラミックタイルを皆様に届けることにスタッフとともに励んでいます。
丸万が大切にしていること
What We Care
「カラカラカラ」と響く音の速さとリズムでタイル貼りの様子が分かります。
丸万には「貼り場」があり、そこでモザイクタイルが1枚ずつシートに加工されます。
どの製品にも良品と不良品を区別する限度見本を作り
「貼り子」は、限度見本を確認しながらおよそ30センチ角のシートに仕上げます。
タイルのサイズが1センチ角であれば1シートで576個もチェックすることになります。
目地がそろっているか、タイルに欠け・ブツ・ピンホールなどの不良がないか、標準色と大きくずれていないか、来る日も来る日も貼り子はタイルの品質、シートの完成度に注意を注ぎます。
日本には四季がありますから、季節に合わせてボンドや糊の濃さ、乾燥時間を調整し、
どんな小さなタイルでもシートにしっかりと貼り上げ、施工現場で箱から出されるときにタイルがシートから落ちずに整った状態であるように仕上げます。
こうして、どのシートも一級品に仕上げているという誇りとともに、私たちはタイルをお届けします。